はじめに
突然ですが、皆さんは睡眠に対してどんな印象をもたれていますか?人によってとらえ方が全く異なると思います。
私は学生時代は特に睡眠の重要性など全く考えたこともなく、よく夜更かしをして2時3時まで起きてゲームしたり動画を観たりしていました。部活もバスケ部で朝練があるので早くに起き、日中は走り回っていたのを思い出します。しかし、そんな生活をしていたせいか授業はずっと寝てしまったり、メンタルが落ち込んでしまうことや感情が不安定だった時期が多々ありました。そのお陰で学業も集中できない、体力もすぐ切れる、落ち込む、といった負の連鎖を自分で作り上げてしまっていました。しかし、そんな私にも転機がありました。大学生活の後半から自分の習慣を改善するきっかけがあり、睡眠にこだわるようになってからというものの、日中に睡魔が襲ってきたり、メンタルが不安定になることも少なくなり毎日どんなことにも希望にあふれた日々を送れています。
若いと健康は当たり前の存在として捉えがちですが、失うと気づかされます。健康あってこその人生なのです。逆に言うとそれさえある程度管理できるようになれば負の連鎖を破り、自らの手で正の連鎖を構築することが可能であり、この連鎖は二次関数的にレベルを上げていくことでしょう。
今回はまず、私が日々実践している **「医師が実践する睡眠習慣」**についてご紹介します。医師だからこそ感じるリアルな視点と、無理なく続けられるコツを含めてお伝えします。
睡眠は「睡眠level=質×時間(6≦t≦8)」!
睡眠時間を確保したい、なんて現代人みんな感じているところです。また、少なすぎても多すぎても良くないという話はよく耳にします。(それが6時間以上8時間以下程度がベスト)
そして特に医師の多くは不規則な勤務に悩まされています。私自身、当直明けや早朝の出勤により、理想的な睡眠時間を確保できないことも少なくありません。特に救命救急では一睡も出来ずに明けの昼まで仕事を黙々とこなす日も多かったです。つまり、忙しい現代人は睡眠時間を確保するのが難しいことがわかります。
だからこそ、特に「睡眠の質を高める」ことを最優先に考えていきます。そしてここでいう方程式的には睡眠の質には上限がありませんので、あなた次第で睡眠levelはどこまでも高く飛躍していきます!!!努力する価値がありますね、一つずつ見ていきましょう。
1.寝室の温度と湿度
夏は26~27℃、冬は19~20℃、湿度はどんな時も45~55%をキープしてください。(個人差はあるので適宜調整)そして、ネットで温度計や湿度計を買ってください。ここまでがセットです。
適切な温度で設定していないと季節に関わらずまず共通して睡眠レベルが下がります。そして夏はこれ以上に温度が高いと脱水症状で血液の循環が悪くなり頭痛や便秘、倦怠感など引き起こします。それ以外にも熱中症もあります。一方で冬は心筋梗塞などの心臓系の疾患が増える時期です。
睡眠から離れてしまいましたが、適切な温度で設定することのメリットは計り知れないことが伝わったと思います。
次に湿度です。湿度は30%未満でウイルス感染のリスクが高まります。40%未満で喉の痛みが出やすいです。更に60%以上になってしまうとカビが生えやすくなってしまうことがわかっています。朝起きてのどが痛い日は何もやる気が起きません。これらは睡眠の質にも影響するので45~55%と適度な湿度に調整しましょう。
そしてこれらを完全に実行するには温度計と湿度計が必須です。特に湿度は一回は買わないとどのくらいの湿気具合なのか感覚的に全くわかりません。感覚に頼らないでください。数値こそが全てです。
2.お風呂のタイミング
自分が寝たい時刻の2時間前にお風呂からあがるようにしてください。
人間はお風呂やシャワーで体温があがり、出て2時間程度かけて体温が下がってきます。そのタイミングで眠気が最大限に上昇してくることがわかっておりますので、この人間の脳の仕組みを是非利用しましょう。これに関しては、百聞は一見に如かず、ということで一度実践していただけると良いかと思います。すぐに入眠できます。
3.パジャマ(TENTIAL:BAKUNE)
最近になって私はTENTIALのBAKUNEというパジャマを購入しました。これでねるようになってから起きた後の爽快感がすごくて着ているものがここまで睡眠に影響を与える時代になったのかと感動を覚えましたので、どんなものかを自分の経験も含めて以下に紹介します。
- 厚生労働省に一般医療機器として届出済みであり、健康関連製品として一定の信頼性があるとされている
- SELFLAME®︎という 体から発せられる遠赤外線を吸収し、再放射して体温を保持する機能性繊維で作られている
- これにより血行促進が期待され、筋肉の緊張や疲労感が軽減される
- 早稲田大学睡眠研究所による生理学的研究では、BAKUNE着用により入眠時と睡眠後半で深部体温の低下と維持が観察され、効率的な入眠と快眠が促されると示唆されている
- 発汗量の増加や自律神経指標の改善も確認され、リカバリー効果とストレス軽減が期待される
- 寝返りが打ちやすい構造になっていて、人が夜間に平均して20回左右の寝返りを打つことを踏まえ、その支援により負担の少ない睡眠姿勢を維持できるとされている
- 滑らかでストレスのない肌触り、抗菌・防臭加工あり
特に私は寝がえりのしやすさ、肌触りの良さをを実感しています。
4.遮光(カーテン)
睡眠の観点から申し上げますとカーテンは遮光性の高いもの一択です。
経験的にも遮光性の高いカーテンがある部屋で寝たほうが起床時の爽快感に差が出ます。
カーテンにはものによって強みが異なります。遮光の強いもの、花粉などのアレルゲンをキャッチしてくれるもの、遮熱や断熱で省エネ対策してくれるもの、防音効果が高いものなどです。
もちろん人によって求める特徴は違いますが睡眠は誰にとっても必要不可欠なものです。早朝にカーテンから透けて入ってくる日光で目が覚めてしまう人がいらしたら即遮光カーテンを購入することをお勧めいたします。それ以外はオプション感覚で考えて追加してください。
5.寝る前のスマホ
結論、「ドーパミンが出るような作業や投稿を寝る前はしない・見ない」ようにしましょう。
よく色んなサイトで寝る前のスマホは良くないから見るなと注意する記事を見かけます。ただ、仕事に追われたり、寝る前くらい少しリラックスしたいという我々現代人にこのルールを守れる人はそうそういらっしゃらないと思います。僕もこれは出来てません。
なのでもう少し現実的な案としては「ドーパミンが出るような作業や投稿を寝る前はしない・見ない」です。
特にラインで連絡しあう、インスタなどでショート動画を見まくる、などです。
ラインでも一方的に返事を返したりするのは問題ありません。ただその返信に対して友達がすぐに返信してきてチャットし合うのはドーパミンが脳内で大量に分泌され、覚醒を促します。こっちが連絡だけ返して寝るだけで留めるのなら耐えられそうですよね。
ショート動画やリールも同じく脳内でドーパミンが大量に分泌されることがわかってます。一度リール動画見始めるとなかなか辞められなくなる現象はこれに起因しています。謂わばガチャガチャをやっている感覚で次にどんな返信や動画が出てくるのか見るまで辞められないのです。開発者がこの人間の脳内の作用を利用したビジネスなのです。寝る前はショート動画やリールだけは見ないように努めましょう。
6.カフェイン摂取
カフェインは寝る時刻の6時間、可能なら8時間前になったら摂取を控えましょう。
カフェインの半減期(体内で摂取量が半分に消費されるまでにかかる時間)は約6時間ですので、寝る6時間前より後にカフェインを摂取すると、その摂取量すべてがまだ体内に残存している状態なのです。ちなみに就寝6時間前のカフェイン摂取でも、睡眠の質(深さ・持続)を有意に悪化させる
(Drake et al., Journal of Clinical Sleep Medicine, 2013)という研究結果もあるみたいです。
更に言うと、カフェインは眠気が弱くなるだけでなく、徐波睡眠(深いノンレム睡眠)を減少させることが、研究で明らかになっています。人間はこのノンレム睡眠で体力を回復させていると言っても過言ではありません。
その結果、睡眠時間が十分でも、翌日の疲労感や集中力低下につながる可能性があります。
ちなみにアルコールも同様に睡眠が浅くなり翌日に良くない影響を与えます。
7.マットレス(Koala Mattress:コアラマットレス)
私が今一番注目しているのがコアラマットレスです。
残念ながらいまだに購入できていないので、自分で実践が出来ておりません、、、。
聞いている話ですと
- 肩、腰、足ごとに適切な体圧分散と姿勢サポートが装備されていて、肩こりや腰痛の予防効果がある
- 適度な反発性と通気性がある(季節や状況によって反転させられる2面構造)ので睡眠中の適切な寝心地と温度をキープできる
- 隣の人の寝返りなどの衝撃が伝わらないような設計になっていて中途覚醒リスクを下げる
などがあります。
これに関しては友人の感想ですが睡眠の質があがったといった声を聴いております。少し値は張るようですが検討する余地ありだと考えています。
おわりに:「睡眠を整える」ことが、未来の自分をつくる
健康とは、特別なことをするのではなく、日常をどう積み重ねるかに尽きると思っています。
医師として、そして一人の生活者として、これらの習慣が私を支えています。
「完璧を目指さず、少しずつ整える」——
この感覚こそが、これからの時代の健康のカギではないでしょうか。
🪧 おまけ:今日からできる睡眠習慣7つ(まとめ)
①寝室の温度と湿度を最適化する
②寝る時間から逆算して入浴時刻を設定する
③TENTIALのBAKUNEで寝る
④遮光性の高いカーテンを使う
⑤寝る直前に誰かと連絡を取ったりリール動画を観ない
⑥寝る時間から逆算してカフェイン最終摂取時刻を決める
⑦コアラマットレスの購入を検討する(買ったらどうだったか教えてください。。)